新規集客だけに頼った店舗運営の問題点とは？
美容サロンを経営する方で、新規集客に頼った経営をしている方は多いのではないでしょうか。しかし、新規集客だけに依存した経営では、さまざまな問題が発生する可能性があります。
本記事では、新規集客に頼った運営の問題点とその改善方法について解説します。
目次
新規集客に頼る美容サロンの問題点
美容サロンにとって、新規集客が重要なことは間違いありません。
しかし、新規集客だけに力を注ぐことには、さまざまな問題が発生します。
この章では、新規集客に頼り過ぎてしまうことで発生する問題点について解説します。
競争が激化する美容業界での新規集客の重要性
近年、美容業界では競争が激化しています。
厚生労働省が発表した資料によると、美容師や美容所の数はともに増加している一方で、店舗が増加したことと低価格化、客数の減少などが原因で店舗当たりの収益が減少しているとされています。
こうした競争の激化から、広告宣伝や集客アプリへの登録など、費用をかけてでも新規集客を試みることは、当然だといえるでしょう。
参考「厚生労働省：美容業概要 」
新規集客に焦点を当てた運営に伴う問題点
美容業界における新規集客は重要ですが、新規集客のためには集客サイトやアプリなどの外部サービスを利用するケースが多く、一定の費用が掛かります。
この集客に伴う経費が、新規集客に頼った経営に問題を発生させています。
例えば、1人の集客に1万円の費用がかかる場合、クーポン等を含めて1回あたりの売上が5千円程度とすると、新規の顧客が1度来店しただけでは利益が発生しません。
新規集客にのみ注力していると、お客様の入りはよくとも、得た売り上げを出費が上回ってしまいます。
顧客の継続性の低下
また、集客サイト等による競争は、顧客の継続性そのものを低下させてしまいます。
集客サイトからは、初回限定の割引クーポンのような特典が得られるケースが多く、リピートするメリットよりも、新たな店舗を訪れるメリットが大きい場合があるためです。
また、集客サイトではより経費をかけ上位に表示された店舗に予約が行く傾向が強く、多額の広告予算をかけた新規オープンの店舗が現れると、顧客の多くがそちらに流れてしまいます。
各店舗が新規集客への注力を行った結果、顧客の継続性は低下しています。
キャンペーンによる集客ばかりで利益が伸びない
割引クーポンなどの集客キャンペーンは、一定の成果を生み出しますが、収益を犠牲にして数字を伸ばす仕組みのため、顧客数のわりには収益が伸び悩む形になりがちです。
予約が埋まっていても、人件費や経費と相殺、あるいは損失が出る形では次の集客に費用を割けず、店舗の運営は先細るばかりです。
美容サロンを対象とした集客アプリを活用する場合も同様の問題が生じます。掲載料に加え何らかの特典や、クーポンを用意するケースが多く、新規集客にかかる経費が1回の来店では回収できない場合がほとんどです。
良い口コミやリピーターの少なさ
美容業界では、過剰競争がサービスの評価にも影響します。
競争の激化で全体のサービス品質が向上したことで、顧客のサービスに対する目も厳しくなっています。
清潔感のある店舗、丁寧な接客などの本来店舗の売りになる部分が当然とみなされ、良い口コミやリピーターにつながらないのです。
その結果集客アプリやクーポンに依存する度合いが高まり、前述の問題を生み出す土壌となります。
リピーターの重要性と獲得方法
美容サロン運営を安定化させるためには、新規集客と同等以上に、リピーターを生み出すことを重視するべきだといえます。
この章では、リピーターを獲得するメリットとその方法についてご説明します。
リピーター獲得によるメリット
リピーターの獲得は、店舗にさまざまなメリットを産み出します。
収益の安定化、フィードバックの収集、顧客満足度の維持は、店舗の運営に関する改善点を見いだすための指標です。
これらのメリットについて、以下で詳細に解説します。
安定した収益の獲得
リピーターから得られる収益は、集客経費の回収後は安定した収益として扱えます。
集客経費はリピートで利益を産み出す前提でかけるもの、という意識が重要です。
言い換えれば、集客はリピーターが減少した際にバランスをとって行うべきともいえます。
サービス向上に繋がるフィードバックの収集
リピーターの獲得を重視すると、リピーターになる顧客とならない顧客との違いが、ノウハウとして店舗に蓄積されます。
リピーター獲得に注力することで、リピーターを獲得するためのノウハウが集まり、より多くのリピーターを生む運営形態が構築できます。
より強い顧客満足度の維持
激しい競争下で、自店舗をリピートしてくださる顧客は、店舗に対して強い満足度をもってくださっています。こうした満足感が良い口コミにつながり、やがて費用をかけずとも集客ができる構造が完成します。顧客満足度を高めることは、リピーターの育成だけでなく新規集客にも反映されるのです。
リピーター獲得の具体的な方法
リピーターは店舗にさまざまなメリットをもたらします。
リピーターを獲得するにはどのような方法を取ればよいのでしょうか。
ここでは、リピーターを獲得するための具体的な方法についてご説明します。
顧客管理システムの導入
顧客管理は、リピーターの獲得に必須です。
しかし、通常の業務に加えて顧客管理を独力で行うことは、現実的だとはいえません。
顧客管理のためには、専用の顧客管理システムを導入することが、最も簡単な解決策だといえるでしょう。顧客管理システムでは、顧客情報や予約だけでなく、クーポンの配布やメッセージの送信なども一元管理できます。
こうしたシステムを導入することは、顧客から店舗へのロイヤルティを向上させ、リピーター獲得の有効な手段となるでしょう。
顧客満足度向上の施策
顧客満足度を向上させる施策は、店舗の清潔感やサービス品質など、さまざまです。
全ての美容サロンに当てはまる内容としては、丁寧な施術や巧みな技術で信頼関係を構築し、顧客に次回もここに頼みたいと考えてもらうことが挙げられます。
そのためには、顧客が何を求めているかを見抜く力が重要です。
リピーター特典の提供
新規集客同様、リピーターに特典を付けることも有効な手段です。
一例としては、ポイント制度や誕生月割引の導入などがあてはまるでしょう。
ほかにも、カットやカラーの施術後、一定期間内であれば次の同じ施術を割引するというようなキャンペーンも、顧客のリピートを促せます。
新規集客とリピーター獲得のバランスの重要性
新規集客とリピーターの獲得は、双方をバランスよく実施することが重要です。
ここでは、店舗運営を安定させるために集客のバランスをとることの重要性と、その方法について解説します。
新規集客とリピーター獲得のバランスを取ることの重要性
新規集客とリピーター獲得のバランスを取ることは、店舗にとって有効です。
新規集客からリピーターとして獲得できる割合と、別店舗へ流れる顧客の割合が一致する点を見いだせれば、無駄のない集客ができるでしょう。
どのように新規集客とリピーター獲得をバランスよく行うか
集客とリピーター獲得、両者のバランスを保持するためには、顧客からのフィードバックが大切です。
顧客管理システムからリピーターの獲得率と流出率をある程度見積もることで、適切な新規集客への予算が導き出せます。予約システムと一体化した管理システムの導入が、バランスの維持には有効です。
まとめ
美容サロンの店舗運営には、新規顧客とリピーターの双方を重視する対策が重要です。
以下では、ここまでの要点についてまとめています。
リピーターを獲得し、店舗の運営を安定させましょう。